2025年6月、Googleがまた大きなコアアップデートを実施しました。これが実はかなりの話題になっていて、特にAIで作られたコンテンツや、情報が薄いページ、いわゆる「中身が伴っていないサイト」に対して大きな影響を与えたと言われています。ネット界隈では「AIコンテンツ排除アップデート」なんて呼ばれることもあるくらいで、特にAIに頼って大量のページを生成してきたようなサイトは、検索順位が急落したり、最悪の場合は検索結果からほとんど消えてしまうような事態になったそうです。
今回のアップデートで目立ったのは、AIで自動生成された記事を量産していたアフィリエイトサイトや、期限切れドメインを買い取って再利用していたような再構築型サイトが大きく順位を落としたことです。これまで、AIで大量に記事を作って、それをSEOで上位表示させ、広告やアフィリエイトで収益化するというやり方は、それなりに有効な手法として使われてきました。しかしGoogleはこのやり方を「検索ユーザーにとって価値が低い」と判断し、今回のアルゴリズム更新で一掃する方向に舵を切ったようです。
とはいえ、全てのサイトが被害を受けたわけではありません。むしろ、同じAIを使っていても、人間の手でしっかりと加筆修正を行い、オリジナルの情報や具体的な体験談を盛り込んだコンテンツは、今回のアップデート後に順位を回復したケースも見られます。SEOの専門家であるMarie HaynesさんやGlenn Gabeさんも、この現象について詳しく分析していて、昨年2023年に行われた「Helpful Content Update」で順位を落としていたサイトの中には、コンテンツの質を改善した結果、今回の6月のアップデートでしっかり復活しているところがあると報告しています。
つまり、Googleは一律にAIコンテンツを排除しているのではなく、あくまで「役に立たないAIコンテンツ」を下げ、「価値のあるコンテンツ」を評価する方向で調整しているということです。
ただし、評価の基準は年々厳しくなっています。今回特に顕著だったのは、AIで作っただけの文章、つまり一次情報や独自性がないものはほぼ評価されなくなってきている点です。さらに、Googleの検索結果の中でAI Overviewsと呼ばれる要約機能が表示されることが増えており、この要約の中に自分のサイトが引用されなければ、そもそもユーザーがクリックしてくれないという現象も起きています。ある意味、検索結果の中に自分のサイトが「入り込む枠」が狭くなっているとも言えます。
このAI Overviewsによって大きな影響を受けたのが、ニュースメディアやウェブマガジンです。ある調査では、ニュースサイトの中にはクリック率が80%も減ったところがあったという報告もあります。これまでは「Googleで検索して上位に表示されればアクセスは増える」という前提でビジネスモデルが成り立っていましたが、今はその上位のさらに上にGoogleのAI要約が出てきてしまい、そこから直接答えを得られてしまうため、ユーザーがわざわざ記事にアクセスする理由が減ってしまっているのです。この状況に直面しているメディア関係者は少なくなく、広告収入モデルをベースにした運営はますます厳しくなってきています。
こうなると、SEOにだけ依存した集客はますます危うくなります。実際、ビジネス界隈では「SEO依存からの脱却」がかなり真剣に議論されていて、今後はSNS、メールマーケティング、自社アプリ、オフラインイベントなど、様々なチャネルを組み合わせた集客戦略が求められるようになってきています。
Googleや検索アルゴリズムの変化に翻弄されず、自分たちの読者や顧客と直接つながる経路を持っておくことが、これからのリスク分散の鍵になりそうです。
では、具体的にどんな対策が必要になるのでしょうか。まず第一に、薄いAIコンテンツや自動生成されただけのページは整理、もしくは削除していくことが重要です。これは、単に検索順位が下がるリスクを避けるためだけでなく、サイト全体の評価を落とさないためにも必要です。
Googleの評価はページ単位だけでなくサイト全体にも影響するため、低品質なページを放置していると、他の良質なページまで順位を落とす可能性があるのです。
人間による加筆修正や編集を徹底することです。AIは情報を整理するのは得意ですが、独自の経験や専門的な知見を生み出すことはまだ難しい部分があります。
そのため、体験談、失敗談、現場でしか得られない知識などを積極的に記事に盛り込み、読者にとって「ここでしか読めない情報」を提供することが重要です。GoogleはE-E-A-T、つまり経験(Experience)、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)を強く重視しており、この基準に沿ったコンテンツこそが今後も評価され続けると考えられます。
さらに、AI Overviewsに引用されるための工夫も必要です。これは少しテクニカルな話になりますが、検索クエリに対して的確でわかりやすい回答を短い文章で提示し、その後に詳しい説明を展開する「スニペット型」の記事構造にすることで、引用されやすくなります。
引用されれば、直接のクリックが減る可能性はあるものの、ブランド露出や信頼度向上につながる効果も期待できます。
また、今回のアップデートやAI要約の影響を考えると、検索流入に頼らないアクセス経路の確保も急務です。具体的には、X(旧Twitter)、Instagram、YouTube、TikTokといったSNSを使って情報を発信したり、メルマガやLINE公式アカウントで定期的に読者に情報を届けたりすることが有効です。こうしたチャネルを育てておけば、検索順位が下がっても一定のアクセスを維持できますし、読者や顧客との関係も深まりやすくなります。
今回の2025年6月のGoogleコアアップデートは、AIコンテンツ時代における新たな基準を突きつけた出来事だということです。ただ単に記事を大量生産するだけでは評価されず、独自性や人間らしさ、専門性をしっかりと組み込んだコンテンツがこれからの生き残りの鍵になるでしょう。そしてSEOは依然として重要ではあるものの、それだけに頼る時代は終わりつつあります。検索結果の形も変化し続け、AIによる情報提供がますます主流になっていく中で、サイト運営者やコンテンツ制作者は、より多角的で柔軟な戦略を求められるようになっているのです。
【SEO】June 2025 コアアップデートの影響とAIコンテンツの排除